フロントフォークオイル交換とスラストベアリング挿入 -実践編 1/2-

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初めてのフロントフォークオイル交換をしました。 実際にやってみるまでは、ものすごく大変な作業な気がしていましたが、やってみるとたしかに大変ではあるけどなんとかなるものでした。興味のある方には是非チャレンジして欲しいメンテナンスです。

前編の準備編では、フロントフォークのオイル交換とそれに合わせてスラストベアリングを追加装備するための準備についてお話ししました。

そこで、用意する材料、工具などがわかると思います。

この記事実践編では、それらを使って、実際に作業を行った手順や、自分が引っ掛かったところを紹介します。

この記事を読んだからといって、フロントフォークオイル交換やスラストベアリングの交換ができるようになるわけではないです。メンテナンスに慣れた方やプロの方が読んだら、「何、危なっかしいことやってるんだ!」と思うに違いありません。

バイクメンテナンス初心者でなんとなくフロントフォークのメンテナンスをしてみたいと思っている方に、「作業初心者はどこが難しいと感じるのか、どこでどんなふうにつまずいていくのか」を知っていただくための記事になったら嬉しいです。

なので、フロントフォークのオイル交換をしようなんて思いもしなかった方が、チャレンジしてみようと思った時に参考になればいいなと思いながら書いていきます。

今はとってもいい時代になって、ネット上を探せばたくさんの情報があります。

そうした先人たちのおかげで、バイク整備初心者の自分でもここまでできた感じです。特に NC がシンプルな構造で作られているのもかなり幸いしています。本当にありがたいことです。

ということで、ここからは作業を順繰りに紹介していきます。全行程は結構長いので、2部構成でお伝えします。

フロントフォークオイル交換とスラストベアリング挿入 -実践編-

今回の作業は、フロントフォークオイルの交換と、フロントフォークにスラストベアリングを入れる作業です。そのためにブレーキキャリパーを外すのですが、キャリパーの掃除などのメンテナンスは一切行なっていません。

またフロントホイールを外した時に、ベアリングのチェックなどもしていません。純粋にフロントフォークオイルの交換とスラストベアリングを入れる作業だけ行いました。

作業手順

作業手順を書くと、ざっとこんな感じ。初めての方でも、作業風景をイメージしながら見ていただくとなんとなくわかる気がすると思います。

  1. フロントタイヤを上げる前のネジを緩める作業
  2. 後→前のタイヤアップ
  3. ブレーキキャリパーを外す
  4. フロントホイールを外す
  5. フェンダーを外す
  6. フロントフォークを外す
  7. オイルを抜く
  8. オイルを入れる(油面調整)
  9. フロントフォークを組み上げる
  10. フロントフォークをつける
  11. フェンダーをつける
  12. タイヤをつける
  13. ブレーキキャリパーをつける
  14. スタンドを外す
  15. フロントフォークとブレーキの確認
  16. 終了

フロントタイヤを上げる前のネジを緩める作業

フロントフォークのオイル交換では、フロントフォークを外すためにフロントホイールを外します。さらにいえばフロントホイールを外す為にブレーキキャリパーも外します。

これらを止めているネジは、フロントホイールをあげてしまうとトルクが掛けにくくなり外しにくくなるので、まだ地面から上がっていない段階で少し緩めておきます。

最初に緩めておいたのは、

  1. トップキャップ
  2. フロントフェンダーについているブレーキホースを止めているねじ
  3. アクスルシャフト割り締め
  4. アクスルシャフト(左側)
  5. ブレーキキャリパマウントボルト(2個)

この辺りです。

この過程での僕が注意点と思ったところは、トップキャップとアクスルシャフトを緩める作業です。なので、少し詳しく説明します。

トップキャップを緩める(外す)

NCのトップキャップをいじるには専用工具が必要だそうです。ただ、値段も高いし、何回も使えるような代物ではないようです。これがあるため、バイク屋さんによっては作業を断ることもあるようです。

専用工具を持ってなくても請け負ってくれるバイク屋さんは、大きめのモンキーレンチで開けているようです。ということで、僕も専用工具ではなく大きめのモンキーレンチを用意して外しました。

ラフな操作をしてはいけませんが、そこまで難易度が高い訳ではないと思います。この作業が心配な方は、この作業だけ最初に試しておくといいと思います。 僕はあらかじめやっておきました。そこでちゃんと外せることがわかってからフロントフォークへの作業に入りました。

今回、トップキャップをプリロードが調整できるものに交換しています。このトップキャップ問題も、交換の一つの理由になっています。

フロントフェンダーについているブレーキホースを止めているねじ

このネジはあとで緩められないものではないのですが、NCの場合、これを先に緩めておかないとフロントスタンドでフロントを持ち上げるときにブレーキホースが邪魔になります。なので、先に外しておきます。

アクスルシャフトを緩める

NCのアクスルシャフトは正六角穴付きボルトで、僕はそんな工具は持っていないです。NC をメンテしている人たちの情報を調べると 「17mm の高ナットを使う」とあるので、同じように買ってきました。

また、割と高めのトルクで締めあげられているので、緩める最初の一発目は結構固いです。僕は車のホイール交換のために十字レンチを持っていたので、これを使いました。十字レンチを使えば大変ではないです。

締め付けトルクが高いといっても四輪ほどではないので、車のホイール交換の経験がある方には、それほど高いトルクではないです。

また、要らないといえば要らないのかもしれませんが、フロントブレーキのロックもしておきました。これで、力強くシャフトを緩めても動かないので、上手くいきやすくなると思います。

この場合、あとでブレーキキャリパーを外す前には、ブレーキロックも外しておく必要があります。 ブレーキロックを外さないと、キャリパーが外れません。 (実は一発目には失敗して、なんか硬いなあと思いました)

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後→前のタイヤアップ

フロントホイールの上げ方は人それぞれで、持っている道具によって変わってくると思います。

僕の場合、NC にはメインスタンドがないので、リアスタンドとフロントスタンドを用意しました。

最初バイク屋さんに相談したら、「スタンドはなくても工夫すればできるよ」といわれました。 でも初心者の僕が、少しでも作業の負担や難易度を下げるために、ちゃんとしたスタンドを用意してから作業を始めました。僕はこれで正解だったと思っています。

そう思うとバイクについているメインスタンドって、メンテしようと思ったときには有益ですね。

ブレーキキャリパーを外す

ブレーキキャリパーを外さないことには、ことは何も進みません。

ブレーキキャリパーを外せば、ホイールが外せるようになります。ホイールが外せないと、フロントフォークについてるフェンダーが外せないし、フロントフォーク自体も外せません。なのでまずはブレーキキャリパーを外すことから始まります。

キャリパーを外すのは、特に難しくはないです。ボルト2本で止まっているだけなので、これを外します。今回は、キャリパーとパッドの清掃などは行わなかったので、ただ外しただけです。

ブレーキホースにキャリパーの重さを掛けない方がよさそうだったので、コンビニ袋に入れてウインカーにぶら下げました。

先にも書きましたが、もしフロントブレーキロックをかけている状態であれば、外さないとキャリパーは外れません。

フロントホイールを外す

ブレーキキャリパーは外れているので、フロントホイールを止めているアクスルシャフト抜き、フロントホイールを外します。

アクスルシャフトは走行中に緩んでは困るので、より厳重な緩み防止として割締めがされています。まずはこの割締めを外します。

割締めを外すと、アクスルシャフトを緩められるようになります。 実は、これも一度失敗していて、割締めを緩めないでアクスルシャフトを緩めようとして、やけに硬いなぁと頑張ってしまいました。

全然アクスルシャフトが緩まずにちょっと焦りました。 初心者あるあるかもしれません。

ここまでのネジを緩める作業は、フロントホイールを上げる前に済ませてあります。

アクスルシャフトを抜くには、柔らかいハンマーなどで軽く叩く必要があるかもしれません。また、フロントホイールが浮いている状態なので、多少は手でホイールを持ち上げないと抜けないかもしれないです。ここは多少の力作業になります。男性だったらそれほどでもないですけど。

フェンダーを外す

ホイールまで外れたらフロントフェンダーを外すのはそれほど大変な作業でも力が必要な作業でもないです。ネジ止めされているところを確認して外します。

今回、実はこのフェンダーを外す順番を間違えました。

フェンダーはホイールを外してから外した方が簡単で良かったです。外すためにはタイヤが邪魔になります。なぜか、ホイールを外すのはフェンダーがない状態で行った方がいいような気がしていました。なので作業終了後の組み上げ時にもホイールを付けてからフェンダーを付けに行って失敗しました。

外すときにはホイールを外してからフェンダーを、 組み上げる時にはフェンダーを付けてからホイールを、その順番がいいと思います。

この辺の作業は自分にとって初めてだったので、ひとつ学びになりました。

フロントフォークを外す

ここまで来るとバイクからホイールもフェンダーもなくなっているので、フロントフォークが二本むき出しになっているはず。あとはフロントフォークを外すのみです。

フロントフォークはトップブリッジとアンダーブラケットの2箇所で止められています。

それぞれ止めているネジを一気に外すとフロントフォークは落ちるので、落ちないように気をつけながらネジを緩めていきます。

僕はアンダーブラケットのネジを緩めてから、トップブリッジのネジをフロントフォークが落ちないように手で支えながら緩めていきました。この時フロントフォークを左右に捻じるようにしながら作業すると、緩んできたことがわかりやすいと思います。

フロントフォークが動くようになったら、落とさないように気を付けながら抜きます。

オイルを抜く

フロントフォークのオイルの交換作業は、全然難しい作業ではありません。ただ、真っ直ぐに立てかけられる作業台があるととてもやりやすいです。これがないと、作業はちょっと面倒になります。

オイルを抜くのは、トップキャップを外してひっくり返せば出てきます。なので、オイル受けを用意しておきます。

それとフロントフォークの中に、NC の場合は、スプリングとワッシャ2枚とカラー(鉄製の筒)が入っています。これらが、オイルを抜くためにフロントフォークをひっくり返すと、出てきますので受け取れるようにしておきます。

ある程度オイルが抜けたら、インナーチューブを適当にしごきながら、中に残っているオイルを少しでも出す努力をします。そのあと、しばらくはひっくり返したまま置いておきます。フロントフォーク内に残っているオイルを少しでも抜くためです。

インナーチューブに入っていたパーツを洗浄する

オイルを抜くのと一緒に出てきたスプリングとワッシャとカラーは、この機会にパーツクリーナーで綺麗にしておきます。

NCのように非常にシンプルなフロントフォークの場合にはあまり気にしなくてもいいと思いますが、多少複雑な構成のフロントフォークの場合には、出てきた部品の順番をわからなくならないように並べておくといいと思います。

中のパーツを取り出したところで、今回はダストシールも交換しておきました。ダストシールは脱着が簡単なので、頻繁に交換してもそれほど手間は掛かりません。ついでにやってしまいましょう。今回は純正品ではなく、社外品を買いました。どちらでもいいと思います。

ここまでの作業でフロントフォーク内のオイルが抜け周りの部品も綺麗になって、前半戦は終了です。ここから後はオイルを入れ、外したものをまた組み付けていく感じです。

オイルを入れ、フロントフォークを元に戻したら、あとは今までやってきた作業をどんどん逆に回していく感じです。

ということで、記事が長くなってしまうので、ここから先オイル交換をして組み立てていく手順や様子は次の記事にします。

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buga

昔サラリーマンな工業系エンジニア。
今は、人に使われるのがだめで自営業で人間系エンジニア。
20代でバイクの中型免許を取り、50代半ばの今になって初めてバイクに乗り、なのでバイクの話題が多い今日この頃。

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