燃料添加剤はご存知ですよね、あのガソリンに入れるやつ。燃料添加剤の効果を信じる人は、一度は使ったことがあるでしょう。
今回は、燃料添加剤FCR-062についてのレビューをお届けします。最近、ネットで話題のこの製品、特にそのコストパフォーマンスの良さに惹かれて、AmazonのBlack Fridayセールで手に入れました。
過去にはWako’s フューエルワンやシュアラスター LOOPパワーショットなど、他社の燃料添加剤を使用した経験もあり、FCR-062の効果をそれらと比較してみたいと思います。
燃料添加剤全般的にはエンジン内や燃料系統の洗浄を目的とし、主成分にはPEAを使用しているものが多いようです。同じように見える製品群の中で、今回のFCR-062が価格と効果を踏まえ、どれほどのパフォーマンスを発揮するのか、実際に試してみました。
実際の使用感
FCR-062をバイクに投入した後、さまざまな変化がありました。ここではそれらの変化を時系列に沿って詳細に記述します。
投入後、最初に感じたこと
ガソリンを満タンにし、自宅に帰ってきたところで、ほぼ規定量の40mlをタンクに入れました。ガソリンを入れる前に投入しておいて、そこにガソリンを入れる方がよく混ざりいいということのようですが、なかなかやりにくいです。計量しなきゃいけないと思っているし…。
ちなみに、メーカーによれば、バイクに使うときにはガソリン5lにたいして添加剤15mlを入れよ、ということなのでリッター当たり3mlの添加剤を入れることになります。NCはタンク容量14Lなので14×3で42mlということになります。
話を戻して、添加剤を入れることで感じたこと、起こったことです。
エンジンの回り方
特に重いや軽いは感じておらず、いつも通りな感じ。
燃費
極端に悪化しました。
NC750Sはインパネ内に燃費が表示されます。通常リッター当たり20Km後半くらいの距離を走るのですがこの時は18Km台でした。通常はこんな数字になることはまずありえなかったので、燃料計測系の何かが添加剤で正確な数字が計測できなくなったのかと思いました。
数日後に起こったこと
添加剤投入後数日がたち、バイクに乗る機会がありました。
エンジン始動性
一発目エンジンがかかりませんでした。まるでバッテリーが弱くなっているような。セルモーターが全然回らないわけではないんですが、今にも止まりそうな感じで回ります。
2回目にセルモーターを回した時にアクセルを少し煽ってエンジンはかかりました。
燃費
相変わらず18Km台に低下したままでした。
対策
始動性が悪かったが、まさか添加剤投入のせいだとは思っておらず、たまたまバッテリーが弱ってきていたのだと思いました。バイクを買ってから二年半以上が経ちますが、バッテリーは最初についていたままだったので。
そこでフル充電をしておきました。これで次に始動する時には今までどうりかかるだろうと思っていました。
しばらくしてツーリングに出かけた
さらに数日後に、ツーリングに出かけました。片道50キロ程度だったので何かあっても最悪レッカーで帰って来れると思っていました。それに今までも始動性が悪くても走り出してしまえば特に問題がなかったので、あまり不安感がありませんでした。
でこのツーリングの途中にエンジンがいきなり変化をし始めます。
エンジン始動性
ツーリング当日の朝一のエンジン始動は、やはり良くなく2回目のセルモーターでかかりました。バッテリーをフル充電した直後だったので、やはりバッテリーが死にかけていたんだなと思い、次に買うものまで気にし始めました。ところが。
燃費の改善
ツーリング開始から20Km程度走ったところで急に燃費向上し始めました。前にお伝えしたようにインパネに数字が出ているのですが、それがどんどんどんどん改善し始めたのです。リッター当たり18Km台から22Km台まで向上しました。
エンジンの回り具合
燃費の改善と共にエンジンの回る感じが物凄く軽くなり始めました。今までに経験したことがないような回り方です。
さらに休憩からの再出発のときのエンジン始動は今までにないほど軽くかかりました。ツーリングしてきてエンジンが温まっていたのもあると思いますが、それにしても感じたことがないほどの軽さです。
その後
一度給油し、給油量に見合った添加剤を再度投入しています。
エンジン始動性
今までほど悪くはありませんがやはり少し重い感じです。好調とはいえないです。どちらかといえば不調ですね。
燃費
燃費はリッター当たり18Km台まで落ちることなく、24Km程度で落ち着いています。なので投入直後よりはだいぶ改善している感じです。
次はどうするか
YouTubeにレビュー動画を上げたところ、詳しい方々からコメントをいただきました。燃料添加剤投入直後に重くなってしまうメカニズム、それに対応するためにやることなどを教えてもらいました。
燃料添加剤の投入により燃料系統やエンジン内の汚れが落ち、それらが燃料の燃えにくさを作ってしまうようです。さらに汚れがエンジンオイル内にも溶け込むのでエンジンオイルの交換とフィルターの交換はした方がいいとのこと。できれば2回は交換した方がいいと勧められました。
エンジンオイルは安いものでいいということなので、今2回分のエンジンオイルとフィルターの手配をかけるところです。近々交換をし動画を撮ろうと思います。
個人的な評価
NC750S DCTでの使用経験からの感想
燃料添加剤は賛否両論で、入れる必要などないという人もいます。メーカーが特に指定していないからというのが大きな理由です。またエンジン内が多少汚れたところで、実際の運行上は問題がないというのもあるようです。
とはいえ、実際には原付に多いようですけど、カーボンが溜まること(カーボン噛み)で、エンジンが掛からなくなるなんてこともあるようですね。そこそこ大きいイエンジンであってもガソリンエンジンという意味では、似たような現象が起こることは否定できないので、やっぱりエンジン内をきれいに保つためにガソリン添加剤を使うのはありだと思います。
距離をだいぶ乗ればエンジン内もしくは燃料系統が汚れて、それがパフォーマンスに影響することは間違いないです。今回も添加剤を投入することで調子が良くも悪くもなったので、全く何も変化しないということはないでしょう。
なので、添加剤投入で内部を綺麗にしておくことは無駄ではないです。またバイクは趣味性の高いものなので、乗り手が納得いくまでやるのもありです。
最初に使う場合に気をつけておくこと
新車に近い状態、エンジン内部が綺麗な状態で使う場合には、多分問題は起こりません。いい意味での変化も起きないと思います。
エンジン内や燃料系統が汚れている状態で燃料添加剤を投入すると、汚れが一気に落ち、一時的にエンジンの調子が悪くなる可能性があります。燃料に不純物が混ざることになるし、エンジンオイルにも汚れが溶け込むのだそうです。 こんな時にはオイル交換が必要になります。
YouTubeに上げたレビュー動画にコメントをいただきまして、で「安いオイルで良いので2回はフィルターとエンジンオイルを変えましょう」とのこと。 個人的な経験として、過去に使った他社製品ではそういったことがなかったので、必ずしもオイル交換が必要ということことではないかもしれません。ただ、理屈としてオイルが汚れるので、どうせならオイル交換の直前のタイミングで燃料添加剤を投入するのが良いと思います。
詳細が気になる方は、YouTubeのコメント欄をご覧ください。
他の燃料添加剤との比較における独自の感想
今迄に多少なりとも使ったことのある燃料添加剤では感じなかったことを今回は感じています。なので、比較をしてみようと思います。
過去に使ったことのある燃料添加剤
【Wako’s フューエルワン】
- 前のバイクのGSR250でごくたまに使っていた
- エンジンの始動性が向上した記憶がある。
- 燃費やパワー感については特に変化した感じはしてない。
- 現バイクのNC750Sには使ったことがない
【シュアラスター Loopパワーショット】
- 現バイクのNC750Sで、オイル交換の直前に添加している。
- 投入後の変化を体感したことはない。
コスパについて
タンク満タン一回に添加するコストを算出してみます。NC750Sは14L入るので、それを目安に計算します。売値は販売店やタイミングによって変わるのでご参考まで。
いざ計算してみると、想像以上に低価格ですね。FCR-062はF-1の1/4くらいなので、全然別ものみたいな錯覚に陥るくらいです。
製品名 | 売値 | 使用量 | 1回当たりの使用料金 |
---|---|---|---|
Wako’s F-1 (F101) | 2160円 (Amazon) | 半分 | 1080円 |
シュアラスター Loop ps LP-15 | 660円 (Amazon) | 1本 | 660円 |
FCR-062 (100ml) | 660円 (AZ) | 1/2.5 (40ml) | 264円 |
まとめと推奨
この記事では、AZ社の燃料添加剤 FCR-062について多角的な視点から検証しました。最初は燃費の悪化やエンジン始動性の低下といったネガティブな変化に直面しましたが、その後ツーリング中に燃費の向上やエンジンの軽快な回転を体験しました。
長期的な使用においては、燃費の若干の低下と始動性の問題が続いていることから、オイル交換の頻度を上げることも視野に入れながら時間をかけて評価をして行きたいと思います。
総合的な評価
FCR-062は、エンジン性能の向上という面では一定の効果を示しましたが、その効果は使用状況やエンジンの状態によって大きく異なる可能性があります。
価格面では、他の燃料添加剤と比較しても高コスパと評価できます。しかし、使用初期におけるエンジンへの影響や、継続使用に伴うオイル交換の必要性など、考慮すべき点もあります。初期投資は必要かもしれないですね。
特におすすめしたいユーザー層や使用状況
FCR-062は、コストを重視し、燃料系統のクリーニングやエンジン性能の向上を求めるユーザーに適しているといえます。特に、エンジンが古くなり汚れが蓄積しているバイクや、性能向上を望むツーリング愛好者には有益です。
ただし、新車や比較的新しいエンジンには、設計値以上のパワーを出していくタイプのものではないので、時折のメンテナンスとしての使用が最適かもしれません。
補足情報
各製品のメーカーのウェブページ
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