バイクは、右手でアクセルを回し続けて走ります。瞬間的に離すことはできても、基本的には持ちっぱなしというか回しっぱなし。結構疲れますよね。
そんな、疲労感を少しでも楽にするアイテムの一つがスロットルアシスト。もう何年かしたら、車のようにクルーズコンピュータが普及してるかもしれませんが、現状ではホンの一部。スロットルアシストを使うのが手っ取り早いアクセル周りの疲労軽減アイテムです。
そんなスロットルアシストを使い始めて半年ほどたちました。とてもシンプルなので、使い方云々はそれほどないのです。でも、もし導入を検討している方がいらっしゃれば少しは参考になるかもしれないので、現時点で経験的にわかってきたことをシェアします。
つけ方
まずは、つけることから始まります。いろんな会社から販売されていますが、基本的にはつけ方は一緒だと思います。多少のつけやすい・にくいはあるかもしれないけど。
僕が使っているキジマの製品は簡単。こんな感じ。
くるくるっと取り付けられます。ただし、グリップによってはやりくいかも。
設定(つける場所とか角度)の考え方
スロットルアシスト自体がシンプルなもので、買ってきても取り付け方の勘所みたいな資料がついていた記憶はありません。なので、自分なりに使いやすいところを見つけていくタイプの商品。
この半年間の使用で、僕なりに装着方法が決まってきたので、それを紹介します。
左右方向
場所的なことをいえば、僕の場合はグリップのほぼ真ん中です。
スロットルアシストを買おうかどうか検討しているときに、YouTubeでレビューを見ました。そのほとんどが、外側ぎりぎりにつけている感じで、グリップの中央につけている映像はありませんでした。なので、僕も買ったときにそうつけるものだと思い込んでつけてみました。
しかし、外側につけると、スロットルアシストを操作するのは手の平の小指側の膨らみの辺り。ここで操作すると、スロットルアシストの柔らかさとそれに起因するたわみが非常に気になりました。アクセルONが微妙に遅れる感じでした。
そこで、いいポイントを探そうといろいろ試しているうちに決まったのが今のポジションです。ポイントは、スロットルアシストのカーブと手の平のカーブをぴったり合わせること。手の平全体でスロットルアシストに力を加えることです。すると、グリップの中央辺りに装着という結果になります。
まぁ、これはキジマのスロットルアシストでの感想なので、別メーカーのは微妙に違うかもしれません。似たようなものだとは思うけど…。
考えてみれば、アクセルを回すのではなくて押す感じにできるアイテムです。なので、手の平全体で押した方が楽なんじゃね、っていうのは想像に難しくないです。
これで使いにくいと感じる方は、もしかするとブレーキング時のアクセルONがでやすい→次項の角度の調整が効かせ過ぎ、な気がします。小指側で押しにくい分、効かせ過ぎちゃているような気がします。
角度
角度も重要です。
フラップというか、手の平にあたる部分の角度の設定で使い心地が変わります。
上目につけると効果が強く出て、下目につけると効果は弱めに出ます。最適ポイントは、アクセルOFF状態でグリップに手を置いたときに手の平とフラップの部分が同じくらいになること。微妙に、下向きの方が安全だと思います。
スロットルアシストが危険と感じる人たちの中には、この角度設定が強い人がいるんじゃないかと思っています。アクセルOFFで手を置いた時に、すこしでもアクセルがONになるような設定は強すぎで危ないです。
少し上向きにつけると、ほんのちょっとの操作でアクセルが開くので楽な感じはするかもしれません。しかし、減速時、特に強めの減速時には身体の前方への力が腕を通してフラップ部に掛かり、微妙にアクセルONしてしまう可能性があります。これは危険なので、多少緩めに設定をした方がいいと思います。
AmazonやYouTubeでのレビューの中には、「危険だ!」というものがあります。たぶんですけど、危険に感じる方は、上に書いたように角度調整の設定が強めに効くように設定していると思います。
極端なことをいえば、裏側につけてしまえば、まったく効かなくなります。それなら危険を感じないわけで、要は使いようなのだと思います。
多少、物足りなさを感じるくらいに設定しておくのが便利で危険を減らせるのだと思います。
とはいえ、この辺は個々の好みでもありますので、ご自分のベストポイントを探してみるといいと思います。それほど難しくはないと思います。
スロットルアシストの良し悪し
スロットルアシストがあると、運転は概ね楽です。でも、常にあった方がいいわけでもないです。ついているといい場面もあるし、ない方がいい場面もあります。
乗りの手がバイクをどんな場面で使いたいのかによって、違いが出てきます。
あった方がいい場面
基本的にはツーリング時にはあった方が楽です。疲労感がだいぶ減ります。
場面的には、あまりアクセルのコントロールがシビアでないような場面です。ツーリングで特に高速道路での移動などは、スロットルアシストがあるとかなり楽になります。ツーリングメインの方には一度使ってみて欲しいです。
ない方がいい場面
逆に、シビアなアクセルコントロールが必要な場合にはない方がいいと思います。例えば、ジムカーナやライスクのような細かくアクセルのコントロールが必要な場合にはない方がいいと思います。
スロットルアシストの形状的に、アクセルONはかなり自由度が高いのですが、アクセルOFFの場合に、多少の引っ掛かりが出ることがあるためです。アクセルを戻しているつもりなのに、フラップの部分が掌に当たり、微妙にアクセルON状態になってしまうことがあります。設定のところで書いた通りですね。
これは、人によって出やすい出にくいとは思いますが、たぶんゼロにはできないと思います。僕も時々アクセルONになっていることがあります。
DCTにはかなりフィットする
今現在、NC750S DCTに乗っています。乗り換えて思ったのは、このスロットルアシストは、DCTに非常にフィットするということ。
NC750S DCTの納車の時に、バイク屋さんにいわれたのが
「最初の出だしが強めに出るので気を付けてください」
ということ。これ、半クラを機械がやるので、多少ラフなつながり方をします。なので、一発目にドカッと発進しがちです。
ですが、スロットルアシストをつけていると、アクセルを1mm回すのに比べフラップの先端を1mm押し下げるのでは、当然スロットルアシストの操作の方が繊細なものになります。さらにいえば、たわみもあるので、いい意味でよりルーズになります。
まぁ、「なくても慣れれば同じだよ」という方もいらっしゃるとは思いますが、あればさらに楽になります。
まとめ
安全性に欠けるという意見の方もいらっしゃいます。ただ、道具はその個々人の使い方で安全性や効果はだいぶ変わってきます。特に、こういった自由度の高いシンプルなものは、使用感に幅が出ると思います。
そう考えたときに、このアイテムは価格的にそれほど高いものではないので、まずは試してみることが大切かなと。もちろん、ロンツーしても疲労感を感じない方には不要です。僕は疲れちゃう感じがあったし、慣れたらすごく楽なので使っています。
なので、ツーリング派にはおすすめ。峠を攻めたり、ジムカーナ、サーキット系の方には不要。通勤ライダーには…、走り方次第、ってところでしょうか。さて、あなたは…?
おまけ
つけたばかりの頃のレビュー動画。完全に外側につけていて、柔らかくて微妙だみたいなことをいっていますね…。