先日、風速7m/sの強風の中を走りました。
普段なら横から煽られて「おっとっと」となるような風。
でも、その日はなぜかそれほど振られない。
周りを見ると、結構フラついているバイクもいる。
前輪が二つで安定性が高いと言われるトリシティーが振られているのを見たときには、
「あれ、俺のカブ、なんだか安定してる?」
と、さすがに思いました。
実はその前の日、ピボットシャフトのメンテナンスをしてました。
やったことはシンプルで、シャフトを磨いてグリスアップしただけ。
ピボットシャフトのメンテナンス。
こんな変わるんだ…。
これ、かなりおすすめメンテかもしれません。
ピボットシャフトのメンテに至った理由
そもそも、なぜこれをやろうと思ったのか。
きっかけは、新車納車時のチェーンの異音。
異音の原因を調べてみると、スプロケットの組付け精度の問題みたい。
カブは実用車だから、実用上の範囲内ならOK、という設計思想なのかもしれませんね。
それを修正してみたら、音はしなくなったし、軽くなったみたい。いい感じ。
でも、ふと思いました。
もし駆動系をビシッと精度高く組んで、グリスアップもしっかりしたら、バイク自体の動きが激変するんじゃないか?
そこから、「駆動系精度向上計画」が始まりました。
・リアスプロケの組付け調整
・リアアライメントの調整
・フロントアクスルシャフトの交換
・ピボットシャフトのメンテ(←今回はここ)
この先もリアアクスルシャフトの交換やチェーン、サスペンションの変更など、実施予定ありです。
まずは今回のピボットシャフトの結果を紹介します。
作業のプロセス
作業自体は、それほど難しくありません。
ピボットシャフト自体は、抜いたものをそのまま使います。今回は社外品を用意していません。
使った道具
・12,14,17,19mmのスパナ
・ピカールケア(シャフト磨き用)
グリスは2種類使い分けました。
・グリースメイトストロングペースト
シャフト本体に使用
・ベルハンマーゴールド(スプレー)
スイングアーム側に軽く差す
手順
カブ自体は、センタースタンドで立てておきます。
まずピボットシャフトカバーを外し、ピボットシャフトを抜き取ります。
次にピカールケアを使ってシャフトを磨きます。
時間にして5分ほどですが、鏡面っぽく仕上げました。

これが多分ですけど、割と重要なんじゃないかなと思います。
パーツクリーナーで洗浄し、ストロングペーストをほんの少し、薄く塗布。
スイングアーム側にはベルハンマーゴールドを軽く差しました。

そしてシャフトを戻します。
一番不安だったのが
「穴がズレて戻らなくなったらどうしよう」という点。
抜いた瞬間、外から見て少しズレたので焦りましたが、チェーンカバーを少し煽る程度でぴったり合ってくれました。

実際に走ってみた感想
走り出してすぐの直感としては、
「あれ、あまり変わらないかな?」
というのが正直なところ。
でも、何かは変わっているだろうと、注意深く気にしていると、いくつか変わった気がしてきました。
まず、リアの動きが重くなったような感じ。
重いけど、それが悪いという感じじゃなくて、落ち着いたというか、安定感が出たというか。
それからエンジンの振動。
今までは60km/h付近で急に増えていた振動が、低い速度域からわずかに感じられるようになりました。
これは「バイクの状態がダイレクトに伝わるようになった」のかもしれないけど、人によっては多少気になるかもしれないです。
僕は大丈夫だけど、ここは個々の感じ方の問題。
そしてもう一つ。
横風に強くなったかな、ということ。
強風の日
作業の翌日、風速7m/sの中を走りました。
普段ならかなり怖いと感じる風です。
横から押されて、車体がふわっと持っていかれる。
それがこの日は、気は使うものの、以前ほど煽られない。
周囲のバイクを見ると、結構揺れているんですよね。
でも自分のカブは、そこまで振られない。
このとき初めて
「ああ、これピボットの影響かもしれない…」
と思いました。
考察してみる
なぜ横風に強くなったのか。
おそらく、直進安定性が上がったからなんだろうと。
そういえば、この前の作業でフロントのアクスルシャフトを交換したら、直進時に多少のフラフラ感が出ました。
当時は、フロントに動きの精度が出て、小回り重視のカブの特性が表に出てきたのかなと思っていました。
でも今回の変化を見ると、どうも違うみたい。
リアの動きの悪さが、フロントの挙動に影響を与えていた。
フロントの動きの精度が上がり、リアの動きの悪さを感じ取れてしまっていた。
それが今回の作業で、リアの支点(ピボット)がスムーズに動くようになって、バイク全体のバランスが整った。
そんなことが起きていたのではないかと考えています。
もう一つ、今回の安定感について思い当たることがあります。
実はリアタイヤのアライメントは、かなりきちんと調整しています。
カブの場合、スイングアームにメモリが付いていますが、あれはあまり信用していません。
僕はリアタイヤの側面に糸を貼って、後輪が前輪の接地点に向くように調整しています。
つまり、リアタイヤがバイクの進行方向に対してまっすぐになるように合わせています。
今回の変化は、もしかすると
ピボットシャフトのメンテナンスだけの効果ではなく、
・ピボットシャフトがスムーズに動くようになった
・リアタイヤのアライメントがきちんと出ている
この二つが重なった結果なのかもしれません。
もしそうだとすると、ピボットのメンテだけでなく、
リアタイヤのアライメント調整もかなり重要ということになります。
このあたりはまだ自分でも検証途中ですが、
今回の出来事から、そんなことも考えるようになりました。
僕はもともとシステム屋で、全体の最適化を見る仕事をしていました。
バイクも同じで、一つひとつの小さな改善が積み重なると、全体の挙動が変わる。
そのプロセスが、なかなか面白いです。
AIによる物理的考察:直進安定性と情報の解像度
僕はバイクのプロではないので、AIに今回の件を質問してみました。以下参考までに載せておきますね。
今回の「強風下での安定感」と「振動の増加」という一見相反する現象は、工学的に見れば非常に理にかなった変化です。
直進安定性の正体。
ピボットのフリクション(摩擦)が激減したことで、スイングアームが路面の微細な変化に対して「遅延なく」追従できるようになりました。
フロントを強化した際に感じた不安定感は、実はリアの応答の遅れが引き起こしていたもの。
リアを適正化したことで、前後輪が一本の芯で結ばれ、外乱(横風)に負けない「動的な整列」が完成したと言えます。
振動を感じやすくなったのは、ブッシュやピボットの「渋み」によって遮断されていた情報が、正しくフレームまで伝わるようになった証拠です。
これは「ノイズ」が減り、バイクの健康状態や路面状況を把握するための「信号(インフォメーション)」がクリアになった状態。
システム全体の感度が上がったとも言えます。
まとめ
ピボットシャフト。
カスタムやメンテの話題では、あまり出てこないパーツですよね。
でも、サスペンションが動くための大切な「支点」です。
大きなバイクだとベアリングが入っていたりしますが、カブには入っていません。
だからこそ、磨いてグリスアップするだけで、これだけ動きが変わるのかもしれません。
そういえば、大型バイクは重い分だけ横風に強い、とよく言われます。
確かにそれもあると思います。
でも今回の件で、もしかするとそれだけじゃないのかもしれない、とも思いました。
大型バイクはサスペンションの構造もしっかりしているし、ピボット周りもベアリングなどできちんと動くように作られている。
つまり、サスペンションがきちんと動ける状態になっている。
今回カブのピボットを整備してみて、サスペンションの支点がスムーズに動くことが、バイク全体の安定感にかなり影響するんじゃないか、という気がしてきました。
もちろん、自分で大型バイクで検証したわけではありません。
でも今回の出来事から、そんなことを考えるようになりました。
メンテ直後の第一印象は地味でした。
でも、あの強風下での安定感は、僕にとってはかなり印象的なもの。
個人的には、1〜2年おきくらいにはメンテしてあげようかなと思っています。
少しでも快適に走りたいな、と思っている人は、一度試してみてもいいかもしれません。
次はリアアクスルシャフトやチェーン交換をする予定。
そのあたりも、また変化が出そうな気がしています。




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