梅雨が明け、夏です。バイク乗りにとって、冬と同じくらいつらい季節です。青い空が広がっても、気温が上昇し、エンジンからの熱気が身体を包みます。そして、ヘルメットの中では頭から汗が吹き出します。
そんな中、ヘルメットのメンテナンスはバイクツーリングの快適さを保つために欠かせない作業です。いつものツーリングで、ヘルメットが汗でぐっしょりな感じ、嫌ですよね。
ということで、ヘルメットを内装から帽体まで、徹底的に洗ってみました。洗ったからといって走りが変わるわけじゃないけど、気持ちよく走れるようになりました。最近洗ってないなって方は、これからさらに暑くなる夏に快適ツーリングをするためもヘルメットをさっぱり清潔にしてみませんか。
ネットを調べると、洗う頻度は人それぞれで、「毎月洗うべきだ」から「年に2~3回」とかいろいろです。当然、全然洗わない人もいると思うし、洗う場合でもヘルメットインナーを使う使わないで頻度は変わってくると思うし、様々ですね。これといった正解はないみたいです。僕は、いままで年に一回って感じですかね。
でも、汗で汚れやすい夏が終わったら洗うのは合理的かも。あとは、夏に入る前に洗うのも合理的かも。とすると、夏を挟んで年に2回くらいがいいのかもしれませんね。まぁ、僕の今直感的に思っただけですけど。
ちなみに、僕は普段ヘルメットインナーとしてバラクラバをかぶっています。マスクみたいなやつ。これがあるので、多分汚れ方はインナーなしの方よりもはるかに少ないです。
このヘルメットインナー、夏場は脱いだ時に何となく湿ってます。それだけ汗をかいているということだし、インナーなしの人は内装が全部を吸い取っていることだと思うととても怖いです。
ヘルメットメンテナンスに必要なもの
僕が使っているヘルメット OGK KABUTO からヘルメットのメンテナンス方法についての情報が出されています。ご興味ある方は、参照ください。
ちなみに、帽体とシールドには中性洗剤。内装には市販の洗濯用洗剤が指定されています。
この先、今回僕がヘルメットを内から外まで全部洗うのに、用意したものを紹介します。多少OGK KABUTOが指定しているものと違いはありますがそこは僕なりに考えた結果なのでご了承ください。
消毒液
ヘルメットの内装は一般的に消毒をする人は少ないかもしれません。
でも、消毒することで匂いはかなり強力に消せます。僕は気になってないけど。
ヘルメットは身体に直接接するものなのに、その割には洗われる頻度が少ないです。なので、洗う時には消毒からすれば、気持ち的に清潔感が増します。もし臭いが出ているようならそれも落ちます。
消毒薬には、逆性石鹸を使います。
逆性石鹸は、薬局で普通に買えるのでとても手軽です。1瓶600円程度で、それほどコストを意識する必要はないし、日常生活全般で使えます。夏場には、下着やシャツなどの消毒にも使えるので、一家に一本あると便利です。
参考までにですが、逆性石鹸は成分名的にいうと「塩化ベンザルコニウム」という名前です。これを使っているものなら何でもいいです。オスバンSが一番ポピュラーかな。
中性洗剤
帽体用には台所用洗剤を、内装用には無香料で中性の洗濯用洗剤、おしゃれ着用ってやつを用意しました。
帽体・シールド用の中性洗剤
先にも書きましたが、帽体とシールドについて、メーカーからは中性洗剤の使用が指定されています。どちらも一般家庭ならどの家にもあるであろう台所用洗剤でいいと思います。なければそれなりのものを用意しましょう。僕が使っているのはJOYです。
内装用の中性洗剤
内装を洗うとき、理屈的には大丈夫だと思いますが、中性のものを選んだ方が内装には優しいと思い中性洗剤にしました。ただ、中性洗剤は一般的な洗濯洗剤よりも多少洗浄力が落ちる可能性があります。
無香料に関しては僕は匂いが苦手なので。最近の洗剤はかなり香料の入っているものがあって、それがヘルメットの狭い空間で蔓延したら僕は死にます。日常的にも無香料の洗剤を使っています。
僕のように洗剤の香りが苦手な方や、ヘルメットの狭い空間に香りが広がるのが苦手な方には、無香料の洗剤がおすすめです。
プラスチック用コンパウンド
帽体の汚れは、単なる汚れというよりも軽い傷に汚れが入る感じのものが多いです。洗剤で拭くだけでは全然落ちる感じがしないです。そこで非常に目の細かいコンパウンドを用意しました。
シールドは数年に一度は交換が必要な部品で、消耗品です。が、しかし、使い始めて四年以上たちますが、一度もシールドを交換したことがありません。交換をサボりすぎだと思います。視界が悪くはないですけどだいぶくすんできています。
そこまでゴシゴシ磨いた感じではありませんがそこそこ綺麗になったのでよしとします。新品のシールドには全然構わないと思います。でも実用レベルですね。
普段使いの状態よりはだいぶ良くなったのでシールドもOKとしました。
手順
バイクツーリングの準備として、ヘルメットのメンテナンスは欠かせません。特に夏場は汗をかく機会が増えるため、ヘルメット内部の清潔さを保っておきたいものです。今回は、ヘルメットの分解から消毒、洗浄までの手順を紹介します。
ヘルメットの分解
分解というか、外せるものは全部外すという感じです。
インカムを外す
まずは、インカム関連のものを外します。
僕の使っているインカムは、まず本体からケーブルを外します。本体は、ヘルメットに治具でついているので、軽くずらして外します。特に工具は要らないので、簡単です。
次に、本体と内側の口元にあるマイクまでの配線、マイクの配線とだいたい一緒にあるスピーカーの配線を外していきます。とにかくインカム周りで外せるものは全部外してみます。
シールドを外す
シールドも洗うために外しておきます。実際にシールドがない方が帽体を洗いやすいです。
内装を外す
内装というか、パッドを外します。
これもひたすら外せるものは外していきます。僕が使っているOGK KABUTOのAEROBLADE5では、内装パッドは全部外せます。
内装の消毒
普段、内装は毎回洗うものではないので、段々と不清潔感が漂ってきています。なので、それを払しょくします。やっぱり、身体、特に顔に接するものは清潔感が大切で、精神衛生上も清潔感があったほうがいいですよね。ということで、まずは消毒です。
もちろん、「消毒なんかいらねーよ」という方は消毒をすっ飛ばしても構いません。帽体の洗浄のところに飛んでください。
ヘルメット全体を分解したら、外した内装全部を消毒します。
消毒液は、バケツに水を入れて、そこに逆性石鹸を入れて作ります。濃度的には300~500倍くらいにつくります。直感的にはバケツに水を八分目くらい入れて、そこに消毒液をキャップ2杯入れればOKです。それほどシビアになる必要はありません。
作った消毒液に外した内装全部を浸けます。軽く押し洗いをするような感じで、全体を消毒液に完全に浸します。
帽体やシールドを洗っている間、浸けておきましょう。時間的に足りないような気がすれば、しばらく浸けておいて他の作業をしてもいいです。数時間浸けたら、充分だとは思います。
ヘルメット帽体の洗浄
シールドや内装を外した後は、帽体の洗浄に取り掛かります。
最初に、台所用洗剤を薄めた溶液を用意します。帽体を拭くだけなので、溶液を大量に作る必要はありません。感覚的にはプリンの容器に水を半分ぐらい入れて、数滴の台所用洗剤を加える程度で充分です。台所用洗剤は100~200百倍に薄めて使うものなので本当にちょっとでOKです。
作った溶液をタオルにしみこませて帽体を拭きました。ただ、あまり汚れが落ちる気はしなかったです。そこで、プラスチック用コンパウンドで磨くことにしました。これにより、汚れが落ちるだけでなく、帽体が「ぴかぴか」の状態になります。ちなみにコンパウンドをかけるのはスコットタオルでやりました。
ただし、コンパウンドで磨くのは、メーカーの指定からはずれるので、本来はやってはいけません。もしされるのであれば自己責任でやります。個人的には、汚れが目立つままでヘルメットをかぶるのが嫌だったので、チャレンジしました。
結果的には、かなり良い結果が得られました。
ただ、細かいコンパウンドであれば、軽く擦るだけでは劇的な変化は感じられません。完璧を追求するとリスクもあるので、そこそこで満足できる範囲で満足するようにしましょう。中性洗剤で洗うだけよりも遥かに綺麗になりました。
シールドの洗浄
シールドは、数年に一度は交換が必要なパーツで、本来は消耗品です。僕は4シーズンくらい使っているけど、まだ交換していません。そのため、表面がくすんで何となく見にくくなってきています。
一応、帽体洗浄と同じ台所用洗剤溶液で拭いてみましたが、くすみ感はなかなか取れませんでした。
大きな傷はありませんが、表面のくすみ感をとって、透明感がもう少し出ればいいなと思います。今回は、プラスチック用コンパウンドを用意しているので、ダメもとで磨いてみることにしました。
結果的には新品のようにはなりませんでしたが、だいぶ透明感が増しました。これは程度によりけりだと思うので、人によっては新品を買ってしまった方が良いと思います。今回は自分的には満足です。
内装の洗浄
内装の消毒が終わったら次に洗いをします。
逆性石鹸と洗濯洗剤は相性が悪いです。そのためしっかりと消毒液をすすぎ切る必要があります。押し洗いのようにして消毒液を内装から排出し、何度か水を交換してよくすすぎます。
消毒液を完全にすすぎ切った後、中性洗剤(おしゃれ着用洗剤)で洗います。洗い方は押し洗いで、やさし目に押したり浮かせたりしながら洗います。こすったり、絞ったりはしないです。
内装の乾燥
洗い終わったら全ての内装を日陰に干します。消毒をしているので生乾き状態で臭くなることはないと思いますが、完全に乾ききるまで干しておいてください。
一晩置いちゃうのが簡単で良いと思います。
ヘルメットの再組立
最後に、ひたすら元に戻していきます。
まとめ
ヘルメットは、バイクに乗るときに必ず被るもので、しかも、直接顔や頭に接するものです。
衛生管理はやはり大切だと思います。もし汚れてくることが気持ち的に問題がなく、ポリシーとして洗わないことを選択するのであれば、それは否定しません。ただ、洗い方がよくわからなかったので放置していた場合には、この記事を参考にしてぜひ洗ってみてください。
消毒と洗濯をして、ヘルメット全体をすっきりと綺麗にしました。新品のようなピカピカ感まではいきませんが、気持ちは良くなりました。これでまた気持ちよくツーリングに出かけたいと思います。
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