バイクのメンテナンスをできるだけ自分でやりたいと思っている人なら多分一度くらいはやったことがある、もしくはやってみようかなと思うのが「バッテリー交換」。
今回、僕のバイク人生初のバッテリー交換作業を自分でやりました。
普段から自分でメンテしている人にとっては何でもない作業かもしれませんが、バイク初心者かつメンテ初心者の自分が実際に作業してみて感じたことなどをお伝えします。
バッテリー交換を決意した理由ときっかけ
メインバイクのNC750Sのバッテリーを交換しました。
ある時突然、エンジンの始動が重くなりました。セルが苦しそうな感じで、かかるまでの時間も長め。いつもとは全然違う感じで、明らかに何かが変だと感じました。
ちょっと前に燃料添加剤を入れたことで始動が重くなったことがありましたが、それともちょっと違う感じ。
ということで、直感的にバッテリーが終わったなと思いました。このNC、僕のところに来てからは三年半の時間が経っています。が、バッテリー交換はしていません。
三年半という時間は、ネットなどで見るバッテリー寿命からすると長いように思います。特にこのバイクは中古で僕のところに来たので、前のオーナーがいつ変えたのかわかりません。手放す直前に交換していれば三年半持ったということだし、前のオーナーが買った時点で交換していれば相当時間が経っていると思います。
僕自身は、サルフェーション機能付の充電器でたまに充電はしていました。なので、長持ちするなぁと思っていました。が、それもとうとう終わりなんだ、と直感が訴えてきました。
参考までに、バッテリー交換時に電圧を測定した結果と、AIに聞いた新品バッテリーの電圧目安を以下にまとめておきます。
状態 | 測定値(V) | AIによる目安(V) |
---|---|---|
新品状態 | 13.05 | 12.6〜13.0 |
メインキーON | 12.61 | 約12.4 |
セルモーター作動 | 9.00 | 10.0〜11.5 |
アイドリング | 14.5 | 13.5〜14.5 |
この表を見る限り、負荷のかかるセルモーターを回したときの電圧低下がかなり大きいです。今回の測定では9Vでしたが、10Vを下回ってくると「そろそろ交換した方がいい」という声が多く聞かれます。




専門家であれば、バッテリーテスターのような専用ツールで交換時期を明確になるとおもうのですが、僕のような素人整備ではそういったツールは持っていませんし、まして今回は初めてのバッテリー交換だったため、バッテリー関連のテスター類は何も持っていませんでした。
とはいえ、一般的なテスターは持っていたので、それを使って電圧を測定しました。特にセルモーター作動時の電圧が低かったことが、今回バッテリー交換に踏み切った理由のひとつになっています。
ということで、バッテリー交換に踏み切ります。
バッテリーの選び方と、選んだもの
僕が最初に車を持ったのが、40年近く前。
その頃はたまにバッテリー液の補充をするというのが標準的なバッテリーでした。今ではだいぶ様子が変わって、乗用車やバイクでメンテナンスが必要なバッテリーを使っている人はかなり少ないと思います。
最近のバッテリー事情はあまり知りませんが、今回はゲル型のバッテリーを買いました。多分純正品もゲル型です。そこでAIにゲル型バッテリーの特徴をざっくり聞いてみました。
- メンテナンスフリー
- 液漏れのリスクが低い
- 振動に強い
- 自己放電が少ない
- 寿命が長い
ということです。パッと見、バイクに使うにはメリットが多いです。実際、ゲル型バッテリーは、かなり普及しているようです。
NCはバッテリーを傾けた状態で実装しているので、最初からゲル型仕様で設計されてるんでしょうね。
あとはリチウムイオンのバッテリーも普及し始めているようです。軽量で性能も良いとか。がしかし、対応の充電器が必要みたいだし価格もそれなりなので、個人的にはまだまだ手が届きません。
ということで、ゲル型バッテリーからコスパの良さげなものを選ぶことにしました。Amazon を見ればたくさんのバッテリーが売られています。個人的には販売元やメーカーが中華系のバッテリーは避けたいところ。日本のメーカーが中国で作っているものは許容範囲内。
バッテリー自体は成熟商品だと思っているので、価格はピンキリであっても普通に売られている以上、それほど大きな差は(きっと)ないと思っています。だから日本の会社企画のバッテリーであれば製造国は特に気にしないことにします。
そして選んだのがSUPER NATTOです。
この記事は案件でも何でもないのです。以下のWebページは結構な決め手になりました。マーケティングの世界のストーリー作りではあるのですが、何も情報のない中華のバッテリーよりも安心感が得られました。実際に NC に実装してからも特に問題なく稼働しています。
バッテリーを交換する
バッテリーがダメになり、新しいバッテリーの選択が済み、家に届いたので交換します。
最初に念のために電圧を測ってみます。フル充電状態か分かりませんが 12V 以上あったので、とりあえず初期不良品ではないような感じなので作業を始めます。
作業的にはついているバッテリーを外し、新しいバッテリーを取り付ける、それだけです。
文字にするとたった1行ですが、色々と気にした方がいいことがあります。
まずバイク自体が中古なので今までのオーナーの装着品があります。自分が買う時にバイク屋さんでつけてもらったドライブレコーダーもあります。なので、色々な配線があるのでそれらをわからなくならないようにしておきます。
とはいえ、基本的にはつけ忘れさえなければ復元できるので、あまり神経質にならなくてもいいかもしれません。本数だけ数えておけば OK と僕はしました。
ただ作業が少し面倒になるので、こういった時に「アクセサリー電源ユニット※注」の類をつけておくのもいいと思います。僕はKIJIMAの製品を用意しました。なんとなく今までもKIJIMA製品を使っていて、根拠のない信頼感があります。デイトナの同様の製品の方が売れている気はします。がしかし、今回はつけてない…。
NCのバッテリーは、多くのバイクでガソリンタンクのところにある荷室の中にあります。あまり広い空間ではないのでちょっとやりにくいです。が、時間をかけて丁寧にゴリゴリとやれば誰でもできるかなと思います。調整の類はないので本当にただ交換なだけです。
バッテリーを長持ちさせる方法
今回交換したバッテリーは以前のオーナーが交換しており、どのぐらいの時間持ったのかはわかりません。ただ、純正ではなかったので、一度は交換されてるはず。
では、バッテリーを長持ちさせるにはどうしたらいいのか。
僕はバッテリーの専門家でも何でもないのでよくわかりません。YouTube を見ればたくさんのその手の動画があります。
それらを参考にしつつ、今まではたまに充電をしてきました。僕がつかっているのはデイトナ製で、サルフェーション機能付きです。
サルフェーション機能については、AIにざっくりと聞いてみました。
「サルフェーション機能は、バッテリーの電極に付着した硫酸鉛の結晶(サルフェーション)を電気パルスで分解する機能です。これによりバッテリーの性能低下を抑え、寿命を延ばす効果が期待できます。」
ということで、ものすごく乱暴に一言でいえば、「バッテリー寿命を延ばす機能」です。
今までにたまにしてきた充電でバッテリーの寿命が延びたかどうかはわかりません。でも、しないよりはした方がいい、そんなレベルなのかもしれません。
そこで、この機能がどのぐらい効果があるのか、前回のモーターサイクルショーでオプティメイトという製品を売っているブースで専門の方に聞いてみました。
説明員の話では、オプティメイトはサルフェーション機能付きの充電器の中でも、最も電圧が高く、サルフェーションを分解する効果が強い充電器とのことでした。 とはいえ、これを使えばバッテリーが永久に使えるわけではありません。ツーリングから帰ったらすぐに充電、常に充電というような使い方をすれば、本来3年もつバッテリーなら6年もつ、そのぐらいの効果ということでした。
YouTube などでは、「だいぶ弱ったバッテリーにこういった充電器で1週間程度通電しっぱなしにしたら復旧した」というような動画もあります。ただ、メーカーの方の話を聞くと、こういったケースは多分レアケースで、誰もが簡単にできることじゃないかな、という気もしました。
効果があることには違いないのですが、過大な期待をするものでもないようです。なので、個人的にはオプティメイトへ買い替えをしようとは思わないし、もし次に充電器を買う必要が生じたとしても、サルフェーション機能のないものでもいいかなと思っています。
今ではサルフェーション機能のない製品は、ほとんどないかもしれないですけど…。
今回買ったバッテリーのメーカーであるSUPER NATTOさんでも安価な充電器を出していますね。
この充電器は比較的安価な割に、乗らない時につけっぱなしにしておくとメンテナンスをしてくれるモードがあってとても良さげです。
家に帰ったらすぐ充電とか、できる人はそれほど多くはないと思います。でも、そういうバッテリー寿命延長のための手法があることは知っておいても損はないです。もしできそうな環境の人は、充電用のケーブルをバッテリーにつけておけば、コネクター接続だけで簡単充電できますね。
まとめ、バイクのバッテリー交換を自分でやるなら
バッテリーって、それ自体が走りにそれほど影響を与えるわけじゃない。でも、忘れた頃に交換時期が来て、場合によってはバイクが全然動かなくなって焦る可能性がある…。そんなものですよね。
価格的にはピンキリで、純正ならそれなりに値が張るけれど、激安品を探せば1/10くらいで済んでしまうこともあります。
じゃあ、何がいいのか。年中交換していれば、その辺の勘所もついてくるとは思いますが、そうでもない人にとっては気がかりな部分でもあります。
今回少し突っ込んでみて思ったのは、製品としてはどれを買ってもいいということ。ただ、販売店が日本の会社で、何かあったら交換してくれるところが安心です。交換してくれるなら、安いやつで十分なわけです。
あと、充電。できれば、たまにでも充電しておいた方がいいです。ただ、充電したからといって寿命が何倍にも伸びるわけではないし、高級な充電器を使っても価格差以上の延命ができるわけでもなさそうです。
なので、「初期不良があればちゃんと交換してくれて、比較的リーズナブルなものを買い、安価な充電器でできる限り充電して使う」、これが実は現実的かなと思います。
バイクって趣味のものだから、できるだけいいものを使いたいという気持ちはあります。でも、バッテリーは問題なければ価格差ほどの性能差は出ないと思うので、多少ケチって、その分をツーリングのガス代やお土産代に回してもいいかなと、個人的には思います。
自分で交換することにすれば、製品の選択肢が広がるので、それも楽しみのひとつとして味わってみてください。そして、費用が多少なりとも浮いたら、地酒の一本でも楽しんでください。
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