ABS付きバイクのブレーキフルード交換:初心者でも挑戦できる詳細ガイド NC750S編

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中古で買ったNC750S DCT。ちょっと前の話になりますが、ユーザー車検を終了しました。

車検整備としていろいろやりましたが、その一つがブレーキフルード交換。交換時期が遅くなると、エアが入っていなくてもタッチが悪くなります。グニャ感がでるというか。

なので、すこし茶色な感じがしてきたら、エア抜きを兼ねて入れ替えてしまうといいと思います。

最初、エア抜きは怖いものに感じていました。でも、特にバイクの場合はそれほど難しいものではないです。日ごろからこまめに確認がてらエア抜きをしていくといいと思います。

で、この記事ではブレーキフルードの交換やエア抜きについて書いてみます。

バイクのブレーキフルードエア抜き、交換をする。ABS付きはむずかしいのか?

メンテ実施前に、フルード交換とかエア抜きとかネットで調べて回りました。

すると、昔ながらの方法がずーっと踏襲されていたり、新しい情報でも多分誤解じゃないかなっていう情報も多かったです。

個人的なことをいえば、車とかバイクの専門家ではない素人です。でも、ネットの専門家の人っぽい情報を何でもかんでも鵜吞みにすることはできません。原理を考えてみると、それは勘違いなんじゃないかなと思うものもあります。

ということで、その辺のことも書いてみたいと思います。

ちなみに、バイクごとにあるサービスマニュアルはものすごく大切です。DIYメンテの人(プロじゃない人)が何かに迷ったら、サービスマニュアルの情報を最優先するのが安全・安心だと思います。

NCに乗り換えて、初めてサービスマニュアルを買いました。高いなぁと思いましたが、買ってよかったです。

ABS付きブレーキのフルード交換は難しいのか?

交換実行前に一番気になったのはABS付きブレーキのフルード交換についてです。(ABS : Anti-lock Brake System)

ブレーキシステムは、レバーを握ると油圧が発生して、それがブレーキホースを通りブレーキキャリパーに届き、最終的にピストンを押しブレーキがかかる仕組みです。(ディスクブレーキ)

ABSがない場合には、上に書いたようなシンプルな構造をしています。ABS付きの場合には、レバーとブレーキの間にABSのユニットが入ることになります。

で、この「ABSユニット内にエアー(空気)が入ると大変なことになる」という感じの記事がたくさんあって、怖いなと思いました。なので、少し掘り下げてみます。

調べていくと、ABSユニットには大雑把に二つの構造があるそうです。

【ABSユニット内をフルードが流れる仕組みのもの】

一つはABSユニット内をフルードが流れる仕組みになっているもの。この場合には、そこ(ABSユニット)にエアが入ると素人には抜くことができないようです。となると、ブレーキが利きにくくなって危険です。

ABSがないブレーキだと、ブレーキレバーとブレーキキャリパがホースで直結されています。この項で話しているのは、このブレーキレバーとブレーキキャリパの間にABSユニットが入っているタイプ。エア抜きやフルード交換の時に、ABSユニットに空気が入る可能性のある構造です。

【従来のブレーキシステムの外からABS機能を発揮させるもの】

二つ目のタイプは、従来のブレーキシステムの途中に弁がついているような感じで、タイヤのロックを検出したときにこの弁を働かせて油圧を抜く仕組みです。油圧が抜かれるので、ロックしたブレーキが解除される仕組みですね。

ブレーキレバーとブレーキキャリパの間にABSが入っておらず、外に独立してあります。なので、ABSに空気が入ることはまずないです。外から弁で油圧をコントロールするタイプです。

通常時にはABSユニット内にフルードは循環しません。フルード的にみればABSが効いていない状態では、ABSなしのシステムとなんら変わりません。

つまりは、ABSをそれほど意識する必要なくフルード交換やエア抜きができるということです。

後者のシステムは国産の比較的多くのバイクに使われているものだそうです。実際に調べてはいないけど。前者のシステムは、比較的高級バイクとか外車に多いようです。僕の乗っているNC750Sなんかは後者のシステムでしょうね。

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ABSタイプの見分け方

では、ABSユニット内にフルードが循環するタイプなのか、そうでないのかの見分け方です。専門家的にはバイクを見ると一発でわかるのかもしれないです。が、僕のような素人にはわかりません。

ただ、ヒントになるのがサービスマニュアルです。

僕の乗っているNC750Sのサービスマニュアルでブレーキのエア抜きの所を見ると、昔ながらのやり方が書いてあります。ABSについては、何も触れられていません。当然、ABSユニットのエア抜きについては、何も書かれていません。

なので、サービスマニュアルの通りにエア抜きやフルード交換をすればいいと思います。基本的に、エア抜きをするならどんな構造かに関わらずエアが入らないようにしなければいけないのは同じです。

で、ユニット内にフルードが流れるタイプのバイクのサービスマニュアルには、多分ですけど、ユニット内のエア抜きの方法が書かれていると思います。あと、ユニット自体にフルードを抜くブリーザバルブがあるんじゃないかと思います。

ということで、サービスマニュアルを見れば、直接の記述はないにしてもABSタイプが見分けられると思います。

昨今、ABS装着が法令化されたので全車にABSがつくわけですが、多分ほとんどのバイクが単純なシステムになると思います。なので、今まで通りのエア抜き・フルード交換ができると思います。

ABSのバルブが開く、エアが噛みやすいタイミングはあるのか?

さらに深く掘り下げていきます。

通常ABSユニット内にフルードが流れこまない、多くの国産車に採用されているABSユニットでも初期診断時には気を付けなければいけないという記事を多く見ました。

今どきのバイクを含めたコンピュータを積んでいる機器は、電源投入時に全体がちゃんと働くのかをテストする機能を持っています。NCも例外ではなく、メインスイッチをオンにしたとき(電源投入時)に初期診断がされます。

初期診断時にABSに対してどんなテストがされているのかはわかりませんが、油圧を抜くための弁の開閉も行われている可能性があります。

多くの記事では、イグニッションキーをオンにしたときの初期診断で弁が開く可能性があるので、エア抜き時作業中にイグニッションキーをオンにしてはいけないとあります。

確かに、エア抜き時に弁が開いてしまえば、ABSのシステムにエアが入ってしまう可能性が出てきます。

ところが NC は、電源投入時の初期診断では ABS の検査は行われません

NC における ABS の初期診断の手順は次のようになっていいます。(サービスマニュアルより)

  1. メインスイッチ ON
  2. ABS警告灯点灯
  3. エンジンスタート(エンジンを掛ける)
  4. 走行開始
  5. 時速 5Km/h を越えたら初期診断(ポンプモーターON)
  6. 時速 10Km/h を越え、初期診断がOKならABS警告灯OFFで初期診断終了

という手順です。初期診断で弁が開くとすれば、走りだしてからです。なので、故障や特殊な状況でなければ、エア抜き作業中に弁が開くことはないと考えていいです。

エアが噛むのはどんな時?対策法は?

ABSから離れて、フルード交換やエア抜きの作業的な話に移ります。

油圧ブレーキシステムにエアが入るとやばいです。レバーを握った力がエアに食われてブレーキがかかりにくくなります。走り出したら止まれない状態になっちゃいますね。

ただ、使っているうちにだんだんとエアが入っちゃうことがあるので、それはやばいということでエア抜きをしますね。

なので、エア抜きをするときにエアを入れちゃったら本末転倒なので、細心の注意をもってエアを入らないようにするわけです。ベテランの方々も、エアが入らないようにかなり気を使っているようです。

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で、エアが入らないように気を使ったエア抜きの手順は以下の通りです。ごくごく一般的です。

  1. レバーを握る(油圧をかける)
  2. ブリーダバルブを開く(油圧でフルードを排出する)
  3. ブリーダバルブを閉じる(逆流防止)
  4. レバーを戻す(次のステップのために元に戻す)
  5. リザーバタンク内の油面チェック

という手順を遵守しつつ、繰り返します。慣れた人なら身体が覚えていると思います。

この手順をきっちり守るのはエアを入らないようにするためですが、ここで思考実験です。

ブレーキシステム全体をブレーキフルードの中にどっぷり沈ませて交換しようとしたらどんな手順になるのか。

当然、システム全体がブレーキフルード内にあるので空気に触れることはありません。なので、ブリーダバルブは開きっぱなしでただ単純にレバーの握る・戻すを繰り返せばいいことになります。(圧が掛からないから流動しないというのは置いておいて)

と考えると、一連の手順で気を付けないといけないのは、3番目の逆流防止と5番目の油面チェックです。そこしかエアに触れる機会がないので。特に3番目は毎回気を付けないといけないので、最重要項目ですね。

では、この逆流防止をブリーダバルブを開く・閉めるでなく、重力を使う方法を実践している方がいて、なるほどと思いました。

それは、ブリーダバルブにつないだフルード排出用のチューブを上方に向けておくことです。すると、排出されたフルードに混じるエアーは上方に上がっていきます。ブリーダバルブからエアは離れていくわけで、バルブと空気の接触がなくなります。

単純だけど、理にかなっているなと思いました。

ブリーダバルブは上を向いている(front)
ブリーダバルブは上を向いている(rear)

また、フルードの交換ができて、さらにエア抜きをしたい場合には、ブリーダバルブにつないだチューブの反対側になるリザーバタンクに突っ込めば、空気に触れるところはなくなります。これも、アイデアですね。

まとめ

ブレーキフルード交換は、バイクの安全に直結する重要なメンテナンスです。昔ながらの方法は実績があり、安心して行うことができますが、慣れていない人には少し怖いかもしれません。

ABS付きバイクの場合、ABSシステムの中にエアが入る可能性があり、素人が行うには少し難しい場合があります。しかし、サービスマニュアルにABSユニットからのエア抜き方法が記載されていない場合は、特に問題になることはありません。

いずれにせよ、ブレーキフルード交換は安全に直結する重要なメンテナンスなので、不安がある場合はプロに任せることもできます。ただ、原理を理解して実施すれば、それほど難易度の高いものではありません。自分で行うことで、頻繁にメンテナンスを行うことができ、バイクの安全性を高めることができます。

ブレーキフルード交換を行う前に、自分のバイクについての情報を集め、ABSユニットからのエア抜き方法が記載されているかどうかを確認してください。また、ブレーキフルードの色が黄色く濁ってきたら、交換とエア抜きを行うことをお勧めします。

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buga

昔サラリーマンな工業系エンジニア。
今は、人に使われるのがだめで自営業で人間系エンジニア。
20代でバイクの中型免許を取り、50代半ばの今になって初めてバイクに乗り、なのでバイクの話題が多い今日この頃。

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